Ⅵ:国際高校ランキングの分布状況
国際学校は日増しに関心を集めているが、以下に国際学校の分布状況を紹介する(高等学校国際クラス)。
“高等学校国際クラス”は普通高等学校が設立し、生徒を海外に送って進学させることを目的とする教育類型であり、人によっては“国際部”・“国際学校”とも呼んでいる。普通高等学校が設置した、外国の生徒を募集することを主とする国際学校とは異なる。
◎留学生の低年齢化
高校国際クラスの規模は年々拡大しており、1978年から2010年末までに、中国の各種海外留学生の累計総数は190.54万人であり、2010年度の海外留学生総数は28.47万人、同年度の各種留学からの帰国生の総数は13.48万人である。教育部のデータによると、中国の自費留学生の人数はほぼ一貫して各種留学生総数の90%前後を占めており、2005年89.9%、2010年は93%を占め、自費留学が公費留学に取って代わり、主流となっていることがはっきり示されている。ある課題研究チームが、1981年から1996年までの間の4度にわたる海外留学ブームについて研究を行った結果、自費留学増加の趨勢に伴って、留学年齢が次第に低下し、留学生の低年齢化という特徴が日増しに顕著になっていることが明らかになった。
◎高等学校の国際化推進
《教育計画綱要》では、各レベルの各種の学校で多種の形式による国際交流と協力を展開するよう奨励し、小中高校の対外交流と協力を強化し、教育の国際化の水準を高め、多くの国際的人材を養成することを提起している。この政策誘導による推進のもとで、各省(自治区・直轄市)レベルの政府は地方の中長期的教育改革と発展綱要を次々と公布し、国家の《教育計画綱要》の政策精神を着実に実行に移している。一部の省(貴州・青海・寧夏・チベット等)を除いて、全国のほとんどの省・自治区・直轄市が、教育の国際化をこの先の十年の発展戦略として明確に打ち出している。また、一部の省では高等学校の国際化に向けた発展の推進を明確に支持している。
北京市は首都の高校が国際的に有名な学校と多種の方式で協力して学校を共同運営するのを法に基づいて支援することを打ち出している。
上海市は普通高校教育の開放性と選択性を強化し、高校生の国際交流の規模とルートを拡大し、高校の国際課程の開設を試験的に実施することを強調している。 黒竜江省は条件を備えた高校が国際課程の実験クラスを推進することを奨励し、小中高校がロシア語課程を開設することを積極的に支援している。
湖北省は“高校段階の中外合作弁学(中国と外国の教育機関が提携して学校運営を行うこと)の拡大”を明確に打ち出しており、1,000校前後の小中高校が海外の学校と安定した交流と協力関係を確立することを促進している。
江蘇省は高校段階の中外合作弁学の模索、高度に整理・統合された国際化課程の建設を打ち出している。
山東省は条件を備えた小中高校が外国の小中高校に孔子課堂(中国文化や中国語などの教育及び伝播のために中国政府が海外の小中高校に設置・運営する非営利の教育機関)を開設、協力を奨励している。
◎高校国際クラスの規模が拡大
第一に、国際クラスの運営規模が拡大している。
北京・上海等11の省市の中外合作弁学の747の機関とプロジェクトに対する調査では、8%の62が中等専門学校・高等学校及び職業高校を含む高校レベルに関係していることを示している。2010年上海市教育委員会教育事業統計では、51校のモデル中学・高校のうち24校が高校国際クラスを開設している。また、別の統計によると、2011年北京市の16校の中学・高校が高校段階の国際クラスを開設している。
広州市の六大名門校では毎年約300人の生徒が海外留学しており、市全体の高校生出国人数は毎年10%の速度で増加している。統計によると、目下、広州市では20数校の高校(予科センター)が相次いで国際クラスを創設しており、在学生は数千人に上っている。
第二に、一線都市から二・三線都市に向けて拡大している。
留学教育の需要が一貫して上昇していることを受けて、国際クラスを開設する地域が北京・上海・広州等の一線都市から二・三線都市に、また都市から県レベルに向けて拡大している。
一部の経済が未発達な地域でも、問題の解決を模索し始めている。貴州の貴陽一中・新疆ウイグル自治区のウルムチ八一中学・寧夏回族自治区の銀川二中・河北省の衡水中学・雲南省の曲靖一中等が近年相次いで高校国際クラスを開設している。
都市から県レベルに向けての広がりでは、江蘇省泰州市に属するいくつかの県レベルの市の高校5校・四川省(成都市)双流区の棠湖中学・(四川省の)郫県四中・重慶市の巴県中学等県レベルの普通高校も近年相次いで高校国際クラスを開設している。
河南省鄭州市では2003年に国際クラスを開設したのが僅かに2校であったが、2010年には既に9校が16の国際クラスを開設しており、さらに2011年秋季には13校が24の国際クラスを打ち出した他、提携する国家も広がりを見せ、アメリカ・カナダ・英国・オーストラリア等にまで広がっている。
三に、入学人数が絶えず増加している。
学校運営規模の拡大に伴い、黒竜江省・成都市・南京市・合肥市等一部の地方では、高校国際クラスの生徒募集を生徒募集計画に取り入れた。
2010年南京市の普通高校は31,230人を採用したが、同年市教育局は高校国際クラスの生徒募集を生徒募集計画に取り入れ、市の生徒募集事務室の責任者の言い方によれば、“毎年2,000人から3,000人の生徒がこの種のクラスに進学する”が、これは国際クラスが普通高校の募集人数の10%近くを占めていることを意味している。現在毎年深圳市で海外留学を申請する高校生は2,000人に達しており、しかも毎年10%の割合で増加している。