2017.05.22

中国の国際高校 − ⑤ -

 

Ⅴ:活気を帯びる“洋式の大学入試”が国際高校を助長

 

“在来の大学入試”の退潮と“洋式の大学入試”の台頭

  現在、多くの高校生が全国大学統一入試を受験せずに、海外留学の準備を進める傾向が見られる。教育部が公表したデータによると、ここ数年、中国の学生が海外留学を選択した人数は毎年20%の割合で増加しており、30万人に近づいている。そしてその学生の多くが高校卒業生であることを示している。

 このデータからはっきりと見て取れるのは、ここ2年、高校生が“洋式の大学入試”を受けている趨勢がますます顕著になってきた上に、中国の留学生の低年齢化の趨勢も現れてきたことである。留学ブームに伴って、国内の多くの保護者と生徒が世界に目を向け始め、子供の学習成果を最大化することを望む傾向が見られる。しかし、一方で多くの保護者は自分の子供が早期に手元から離れるのを不安に思っており、これが多くの国際高校の誕生を促すことになった。

 

人の好みは様々、国際高校の選択肢は多い
 国内の国際高校が提携する海外校には、主にカナダ・英国・アメリカ等の国家(のもの)がある。国際課程の学校を正しく選択しさえすれば、国内で“低年齢留学”を実現することができ、子供にしっかりした国内の基礎教育を受けさせることができるだけでなく、高校を卒業してから国際課程の試験の成績に基づいて、世界の名門大学に出願することができる。

 しかし、現在のところ、アメリカと本当にリンクしている国際高校は少なく、多くの国際高校はA-level課程クラス・IB国際課程クラス等のように、すべての英語国家を対象としているが、これらの課程クラスのディプロマでは直接アメリカの名門校に出願することができない。生徒はやはりSAT(通称はアメリカ大学入試)及びTOEFLを受験しなければならず、それによって初めてアメリカの名門校に出願する必要条件を備えることになる。

 

国際高校の選択には“きちんとした目標を持って行動する”必要がある
 進学前の生徒と保護者がどの国の大学に出願するかについて、まだ明確に考えていないならば、できるだけ質の高いアメリカの国際高校を選ぶようにお勧めする。というのも、一般的に言えば、高校卒業後にアメリカの名門大学に出願するのがより容易で、成功率がより高いからである。しかも、アメリカの学歴は多くの国が認可しているので、(アメリカの国際高校を卒業すれば)その他の英語系国家(の大学)に出願しても自ずと順調に運ぶであろう。

 質の高いアメリカの国際高校とは、まず、優秀なアメリカ国籍の教師陣を備えていなければならない。さらに、オリジナルのアメリカの高校カリキュラムを全て採用するとともに、合格した生徒には中国とアメリカで同等の高校卒業のディプロマ資格を授与できなければならない。その上、高校段階全体において子供の個性に基づいた発展に注意を払い、生徒をTOEFL及びSAT受験に向けて指導し、在職のアメリカ国籍の教師が自ら生徒のために推薦状を書き、生徒がアメリカの大学に出願するために十分な準備をすることができなければならない。さらにもし、AP課程の試験も提供することができれば、アメリカの大学に出願するのにさらに有利である。