2016.05.30

中国の外国人留学生動向(2015年版)

外国人留学生は前年比2万人増の40万人
2015年の中国への留学生データが先日公表された。それによると、合計202か国・地域から397,635人の外国人留学生が31省・自治区・直轄市の811か所の高等教育機関・科学研究機関(大学・研究所)及びその他の教育機関で学習している。
そのうち、アジア・欧州・アフリカ・アメリカ(州)・オセアニアから中国への留学生総数は、それぞれ240,154、66,746、49,792、34,934、6,009人であった。
また、留学生の留学地域は北京市・上海市・浙江省が省・市のトップ3となった。
中国への留学生数は年々増加しており、2015年は2014年(377,054人)比20,581人、5.46%増であった。留学生を受け入れた高等教育機関・科学研究機関(大学・研究所)及びその他の教育機関は2014年の775か所と比べて36か所増加した。
(注:データには香港・マカオ・台湾地域は含まれない。以下同)

 

◎留学生大陸別統計

大 陸

総 数

総数に占める%

前年比増減数

前年比増減%

アジア

240,154

60.4%

14,664

6.5%

欧 州

66,746

16.79%

-729

-1.08%

アフリカ

49,792

12.52%

8,115

19.47%

アメリカ(州)

34,934

8.79%

-1,206

-3.34%

オセアニア

6,009

1.5%

-263

-4.19%

 

◎(留学生受け入れ)省市ランキングトップ10
 北京市73,779人、上海市55,218人、浙江省25,658人、江蘇省25,489人、天津市24,511人、広東省23,015人、遼寧省22,784人、山東省17,903人、湖北省17,670人、黒竜江省12,085人。
留学生数が10,000人を超えた省(自治区)には、他に雲南省12,078人、福建省10,490人、広西チワン族自治区10,287人がある。

 

学歴取得留学生の伸びが留学生総数の伸びを上回る
2015年に中国で学歴取得教育を受けた外国人留学生は184,799人で、2014年(164,394人)比20,405人、12.41%増加し、引き続き2008年以来、学歴取得留学生の伸びが中国への留学生総数の伸びを上回る状況が続いている。
学歴取得留学生数の留学生総数に占める割合は46.47%で、そのうち大学院生が留学生総数に占めた割合は13.47%。この両項目の割合はいずれも2014年と比べてある程度上昇しており、学歴構造は絶えず向上していると言える。

 

◎留学生の類型別統計
 学歴取得教育を受ける外国人留学生の総数は184,799人。また、修士及び博士課程の大学院生の総計は53,572人で、2014年と比べて11.63%増加したが、そのうち修士課程の大学院生は39,205人、博士課程の大学院生は14,367人であった。2015年、非学歴取得教育の留学生は212,836人であった。

 

留学生の出身国・地域は「一帯一路」構想に沿った国・地域が中心
2015年の外国人留学生の出身国・地域数は2014年の203か国・地域と比べて基本的に大きな変化はなく、「一帯一路」構想に沿った国・地域が中心となっている。
上位10か国の構成は多い順に、韓国・アメリカ・タイ・インド・ロシア・パキスタン・日本・カザフスタン・インドネシア及びフランスであった。そのうち、韓国・インド・パキスタン及びカザフスタンの4か国の留学生数はいずれもある程度増加しており、なかでもインド・パキスタン及びカザフスタンは前年比で10%以上増加している。
アジア及びアフリカからの留学生数は前年比でそれぞれ6.5%及び19.47%の増加幅であった。

 

◎国別ランキングトップ15
韓国66,672人、アメリカ21,975人、タイ19,976人、インド16,694人、ロシア16,197人、パキスタン15,654人、日本14,085人、カザフスタン13,198人、インドネシア12,694人、フランス10,436人、ベトナム10,031人、ドイツ7,536人、モンゴル7,428人、ラオス6,918人、マレーシア6,650人。

 

中国政府の奨学金給付生が中国への外国人留学生総数の10.21%を占める
 22015年は182か国・地域から来た40,600人が中国政府の奨学金給付を受けており、留学生総数の10.21%を占めた。これは2014年の36,943人と比べて3,657人、9.9%増である。
奨学金給付生のレベルは引き続き向上しており、学歴取得生の割合は89.38%、2014年と比べて1.38%増加した。また、大学院生の割合は68.01%、2014年と比べて5.01%増加した。
中国政府の奨学金が中国への留学に対してそれなりの効果を果たしており、青海省・寧夏回族自治区・貴州省・雲南省・江西省・四川省及び広西チワン族自治区等中西部地区及び国境の省・自治区の留学生の規模は顕著に拡大している。

 

◎留学費用に基づく統計
 中国政府の奨学金給付生は40,600人で、中国への留学生総数の10.21%を占めた。一方、私費留学生は357,035人で、中国への留学生総数の89.79%を占めた。

 

(教育部発表参照)