2016.05.10

袁貴仁教育部部長記者会見

2016年3月全国人民代表大会開催期間中、袁貴仁教育部部長と内外メディアとの間で記者会見(3月10日)が持たれましたが、その際の教育課題についての袁貴仁部長の発言を一部紹介。

我が国の教育水準が既に世界の中上位ランクに入ったと言っていますが、この判断の根拠は何ですか?
袁貴仁部長: 
2015年は国家教育計画綱要実施5周年であるとともに、‘十二五(第12次五か年計画)’終盤の年でもありました。この重要な年にあたり、教育部では独立した第三者機関に委託して中国の教育評価調査を実施しましたが、その評価は中国の教育発展の総体的水準が既に世界の中上位ランクに入ったということです。
報告によると、この判断の主な根拠は3つの重要なデータです。1つ目は、就学前教育の総就学率が75%であり、世界の中・高所得国の平均水準に達していることです。2つ目は、小学校の純就学率が99.9%、中学校の総就学率が104%で、中国の9年制義務教育の普及率が世界の高所得国の平均水準を上回ったことです。3つ目は、高等学校段階の総就学率が87%、高等教育の総就学率が40%で、この2つの項目がいずれも世界の中・高所得国の平均水準を上回ったことです。

 

‘十三五(第13次五か年計画:2016-2020)’で義務教育はさらに延長されますか?
袁貴仁部長: 
 中国は開発途上の人口大国であり、このような発展水準になることはそう生易しいことではありません。中国の教育が今また新たな発展のスタートに立っているということはご存知だと思います。
最近、いくつかの省が無償教育年限の延長を打ち出しましたが、これは中国が義務教育年限を延長しようとしていることを意味していると思われるかもしれません。実際、‘十三五’計画綱要を研究した時に、我々は専門家を組織化して、繰り返し論証と推計を行い、各界の意見も求めてきました。そして中央の政策決定を経て、‘十三五’期間も、中国の義務教育は引き続き9年制を堅持することになりました。
義務教育には少なくとも、普及・無償・均衡および強制という4つの要素を含んでいますが、我々が9年の義務教育を延長しないのは、義務教育をよりよく実施することに重点を置いているからです。例えば、‘十三五’計画と政府の活動報告は、‘十三五’では高等学校段階の教育を普及させるということを明確に打ち出しています。このことは、国家が中国の教育普及を12年としていることを明確にしていることを意味しています。つまり、9年の義務教育プラス3年の高等学校段階の教育、これが明確に要求され、計画されているのです。
‘十三五’計画では就学前教育を現在の75%から2020年には85%まで高めるよう設定しています。義務教育について就学前教育の就学率85%という標準に基づけば、その目標が達成された時、無償教育は実質上15年に達することになります。
(最近、いくつかの地方が独自に高等学校全体に対する無償化を実施、さらには、就学前教育の1年に対しても無償化実施を宣言したことについては)教育の主管部門として、我々は大いなる支持と大いなる賛同を表します。

 

●高考(普通高等学校招生全国統一入試)の全国統一入試問題が実現できると考えていますか?
袁貴仁部長: 
2004年から、つまり10年余り前に、相前後して16の省で分省(省ごとの)出題を試験的に導入しました。分省出題は、各省の(出題の)質が異なるだけでなく、コスト的にも高いものになります。今年までに、もともと独自に出題していた16省のうち、11省が自発的に撤退を申請しましたが、まだ5省―北京・上海・天津・江蘇・浙江(省)が残っています。来年は6つの出題センターがあることになります。1つは国家のもので、これまでの‘1+16’から‘1+5’に変わります。
将来、全国的に1つの出題センターに移行し、統一の試験問題を使用するかどうかは、実践が答案を提供することになるであろうと考えています。26の省が国家の出題センターの試験問題を選択するかもしれませんし、そうではなく、省の出題センターの試験問題を選択するかもしれません。このことについて今、言及することは、時期尚早であると思います。
出題センターが16省から5省に減ったばかりですから、最終的にこれらの出題センターの状況と国民の評価を待ち、さらに深く掘り下げた調査・研究・比較を経て、最終的に公平かつ科学的に人材選抜を促進するのに適合した出題方法を考案したいと思っています。

 

高等教育機関の再編についての考え方を教えてください。
袁貴仁部長: 
 中国の高等教育機関の再編の発展は、実質上、中国の高等教育供給側の構造的な改革とも言えます。課題は、理論型・学術型人材を養成する学校は比較的多いのに、技術・技能型人材を養成する学校が比較的少ないことに表れています。専攻を設置する過程で、ある学校では、工科・理科のように、高額で費用のかかる専攻は設置されることが少なく、コストの安い文科の専攻が設置されることが多いのです。こうした専攻の設置構造と国家の経済構造・産業構造とがうまく整合していないため、再編の最も重要な内容は専攻の設置を調整することです。現在、20余りの省で、200以上の学校が積極的かつ確実に再編の試験的作業を進めています。

 

教育部は大学生の就職難にどのように対応していますか?
袁貴仁部長: 
就職は民生の基本であり、党中央・国務院は就職活動を一貫して重視しています。総理の政府活動報告でも、毎年就職について述べているだけでなく、人数についても必ず言及しています。例えば、昨年は1,300万人でしたが、それだけではなく、大学生の就職及び起業活動についても特に重視しています。現在、大学生の就職・起業については、総体的に良好で、初期雇用率は13年連続で70%以上を維持しており、起業人数も年を追って増加しています。
(今年の全国大学卒業生は765万人、昨年に比べ16万人増加したが、就職・起業活動のプレッシャーが大きいことについて)教育部は重点的に4つの施策を講じています。1つ目は、関連部署と共に、既に実施している大学生就職促進計画と大学生起業誘導計画をより深く掘り下げることによって、卒業生が起業に踏み出し、積極的に就職することを支援します。2つ目は、国家による大学生の就職・起業の優遇政策を真摯かつ綿密に実施し、多くの方法を通して卒業生1人1人に国家の優遇政策を十分に理解、利用してもらうことで、彼らがよりよい就職・起業を行なえるようにすることです。3つ目は、就職指導の強化です。就職情報を十分に収集するとともに広く公表し、多くの類型の、異なる集団を対象とした就職セミナーを開催、学生と雇用者の仲介に力を尽くすことです。4つ目は、綿密で正確な支援を展開することです。特に就職を希望しながら、まだ就職できていない卒業生に対し、一人一策(1人1人に対応した就職対策)支援で、彼らが自分の理想とする、受け入れることのできる職場を探し出せるようにすることです。

(中国教育報より抜粋)